春休み in 山口 (下関) と、ぼくたちの恋愛関係について

2日、新下関駅に私を降ろして、パパと子どもは門司に遊びに行った。
それから、新下関駅に着いた河津さんとオンニョさんを走らせて、在来線に乗り換え、下関駅

下関港国際ターミナル。広島港は軍港だった、民間人は下関の港を使った、と大学1年のとき、アジア史の講義で習ったことなど思い出す。
リトル釜山の通りで昼ごはん。それから通りを散策する。オンニョさんが服を試着するのに、「鏡は」って言ったら、店のお姉さん「鏡ないよ」って。隣のビルのドアのガラスが鏡変わり。なんかおかしくて笑った。
そういえば去年、韓国に行ったときに、釜山からの帰りのフェリーのなかで一緒だったおばさんが、このあたりの人だと言っていた。おばさん、別れ際「また会いましょうね、きっと会いますよ」って言って、私もなんだかそんな気がしたんだけど、名前も住所も知らないままだ。
そのおばさんと似ているけれど、ちがうおばさんが、ふいに道にあらわれて、「おくさん、ぼたんがずれてるよ」って言う。オンニョさんの上着のぼたんが掛け違え。「今日はあなたで二人目。ぼたんのずれたひと」とおばさん。またおかしくて笑った。

旅の話はこちら。
河津さんのブログ
http://reliance.blog.eonet.jp/default/2012/04/post-18fd.html
オンニョさんのブログ
http://blog.goo.ne.jp/okuyeo/e/80e7f05104f31a07af65aa02113cfe72

Img_3861 歩いていたらキッズケータイが鳴る。門司から帰ってきたパパと子どもと合流。それから、みすずの碑のあるところとか、唐戸市場あたりへ。巌流島にも渡った。島に渡った子ども、壊れた舟を漕いでいた。

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夕方、時間もありそうだったので、川棚温泉まで行って、瓦そば、食べる。私が食べたかったのでしたが、好評でよかった。





さて、巌流島行きの船を待っているとき、子どもが聞き捨てならないことを言った。
「ぼくは、バカなのがもうなおらないので、これから自殺します。」
むむっ。新登場のセリフだ。おそらく、叱られてすねたのだが、どこでこういう理屈になるのか。

それで夜、「ママは、これ以上いいママになれないので、自殺します、って言ったらどう思う」と聞いてみる。
「え、それは困るよ。やめて。ぼくはハートがちぎれてしまうよ」と泣きそう。
そうでしょう。ママも同じだよ、だから、そういうことは言わないし、絶対しないんだよ。わかった?
「うん、わかった」
子ども、さらに考える。
「パパがもし自殺しますって言ったら、ぼくは言うんだ。やめて。それは困るよ。だれが車を運転するのって」
それかい。

寝るとき、布団のなかで、子どもが言った。
「ママ、ちょっと話があるんだ。ぼくとママの恋愛関係についてなんだけど」
へ。
恋愛関係なの。
「恋愛関係のグラフがあるんだけど、ママはもう4番目くらいに落っこちてるんだ」
は。はあ。
グラフって何。
「ぼくの心のなかにあるグラフだよ。ママはもう下のほうに落ちちゃってて、ぼくとママはうまくいかないし、だからぼくはもう、ひとりで旅に出たいんだよ。」
ほ。ほう。
そういうことを考えるのか。なんの別れ話だ、これは。
あの、さ。きみのなかでママが何番目でも、ママのなかではいつでも1番目だよ。1番目に大好きだよ。それで、ひとりで旅に出るのはいいけど、そのためには、いろんなことができるようにならなきゃいけないし、もっと勉強も、しなくちゃいけないよ。ママを捨てるのは、もう少し大きくなってからにしなよ。
「ママ、ショックかもしれないけど、聞いてね。ぼくがママにキスするのは、ぼくがママを好きだからじゃなくて、ぼくがママを好きだと思わせておくためなんだよ。もう2年も前からそうなんだ。ぼく、本当はママをきらいなんだ。どう? ショックだった?」
ひ。ひ、ひ、ひ。
そりゃあショックだ。すごーくショックだよ。だけど、好きじゃなかったら、もうキスしなくていいよ。好きじゃないのに、嘘のキスをすると、心が傷つくからね。そういうことはしないんだよ。いいよ、こっちこないで、あっちで寝て。
「あ、でも、ママはいまグラフで4番目ぐらいなんだけど、運がよければ、また1番目にもどるんだ。1か月くらいでもどるよ。もっと運がよければ、一週間とか、1日でもどることもあるんだ。でも、ママがぼくを怒ると、ぼくはきらいになっちゃうから、怒らないで、心が傷つくことを言わないで。そしたら、運がよかったら、いますぐ、ママはまた1番目にもどるんだ」
ふ。ふふふふふ。
なるほど、わかったよ。ママは怒らない努力をする。きみは怒られない努力をする。それでいい? でもさ、無理にグラフを1番目にもどさなくてもいいんだよ。きみに捨てられたら、ママはパパのところに行くから、大丈夫なんだ。
「それはだめ。だってママはすごく運がよくて、もう1番目にもどってるんだよ」
で、キス。
うそのキスならしなくていいよ。
「ほんとのキスだよ。ママ、大好きだよ」
じゃあ、ありがと。ママも大好きだよ。
で、仲直り。

つまり、ママに叱られて、ぼくは傷ついた、って言いたかったんですかね。
微妙な恋愛関係にあるらしい、私たち。

ああ、これから難しくなりそうな、予感だなあ。