春休み in 山口 (湯田、靑海島、仙崎、萩) と爆弾低気圧。

3日、すさまじい落雷の光と音で、夜中に3度も目が覚めた。Img_3904_2 
春の嵐爆弾低気圧だって。日本海まで行くつもりなのに大丈夫かしらと思いつつ、出かける。

最初に中原中也記念館。河津さんが館長さんとアポとっていたので、オンニョさんも私たち家族も、いっしょにぞろぞろついていく。
中也記念館は、義父母さんちのごく近所。お墓なんて、もっと近所。なので、中也さんちは、義父母さんちに帰省しているときの、私ひとりの隠れ家なのですが、はじめて家族連れで行Img_3905 く。

展示のなかに、中也さんの子どものときのテストとか、成績表とか、お習字とか作文とかあって、それはとても見事なものなので、子どもに見せようと思っていたんだけど、展示内容が変わっていて、展示されてない。お習字も作文も何にもない。残念だった。またそのうち、展示されたら見せてあげよう。


子ども、ぼくはこれが気に入った、と生意気に朗読する。なんのことない、丸の内ビルの写真があって、それに惹かれただけなのだが。

 正午
  丸ビル風景

あゝ十二時のサイレンだ、サイレンだサイレンだ
ぞろぞろぞろぞろ出てくるわ、出てくるわ出てくるわ
月給取の午休み、ぷらりぷらりと手を振つて
あとからあとから出てくるわ、出てくるわ出てくるわ
大きなビルの真ッ黒い、小ッちやな小ッちやな出入口
空はひろびろ薄曇り、薄曇り、埃りも少々立つてゐる
ひよんな眼付で見上げても、眼を落としても……
なんのおのれが桜かな、桜かな桜かな
あゝ十二時のサイレンだ、サイレンだサイレンだ
ぞろぞろぞろぞろ出てくるわ、出てくるわ出てくるわ
大きなビルの真ッ黒い、小ッちやな小ッちやな出入口
空吹く風にサイレンは、響き響きて消えてゆくかな

            『在りし日の歌』


それから子どもは聞きたくなった。中也さんの歌。
車のなかで、かけていた。彼はこういうのが好きらしい。
桑名の駅。歌は4分50秒くらいから。
http://www.youtube.com/watch?v=kVAsfRWou9A&feature=related
汚れつちまつた悲しみに
http://www.youtube.com/watch?v=QlJmNFV_q2I&feature=related

まだ小さかった頃、3歳ぐらいかな、子どもは、この歌を「よごれっちまったたのしみに」っておぼえていた。ああこの子は、かなしみ、って言葉をまだ知らないんだと思ったらちょっと戦慄した。

中也さんちを出て、みすずさんちへ行く。
途中、秋芳洞秋吉台経由。子ども、また鍾乳洞にもぐりたいらしく、河津さんとオンニョさんについていく。

それから、仙崎、靑海島に向かったんだが、すごい風。でもまあ、行けるので行く。Img_3911 

靑海島の民宿で、ウニの釜飯っと。
クジラ博物館も行きたかったけど、あんまり風が強いのであきらめる。

それから仙崎。金子みすゞのおうちと記念館。
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それにしても閑散とした通りだった。風の音、波の音すさまじくて、どこか遠いふしぎな国へ来たようだった。

それから萩へ。松下村塾経由、椿の原生林へ。
小さい頃、お化けの森って、子どもは言っていた。とりあえず、椿の森って言っている。ちょうど花の季節。
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Img_3989 風がすごい。ざわざわざわざわ、葉ずれの音が。展望台を子どもが見つけて、ついてのぼったら、森じゅうがうなってて、足が震えるほどこわかった。さむかったし。
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椿の、花が星座みたい。
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森を抜けたら、日本海
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