すでに春休みも終わっているので、さくさく行こう。春休みの話。
4月4日は、前日の嵐が嘘みたいないい天気。いつでも行けると思うとかえってなかなか行かない、山口市内は瑠璃光寺の五重塔。でも河津さんとオンニョさんが来ているので行ってみると、桜もようやく咲いて、なんだかすごくきれいでした。
4月4日は、前日の嵐が嘘みたいないい天気。いつでも行けると思うとかえってなかなか行かない、山口市内は瑠璃光寺の五重塔。でも河津さんとオンニョさんが来ているので行ってみると、桜もようやく咲いて、なんだかすごくきれいでした。
さて、子連れで旅すると、大変なのがトイレだ。最近は、行きたくなる前に、わりと間に合うように、申告できるようになったが、かばんのなかには、パンツ2枚入れていた。
トイレに行きたいが、トイレがないときはどうするか。
男の子なので、そりゃもう気軽に、でもないが、そこらでするのである。
県庁にトイレ借りによったときは、休みでドアが開かなくて、県庁と議会の建物の間の茂みで。
それから瑠璃光寺では、トイレを探す暇がない、どっかすみっこの草むらまで誘導。
香月泰男の、シベリヤ・シリーズの絵のなかに、「私の地球」というのがあって、それは故郷の三隅町の地図を描いたものだったりするんだけど、絵にはさっぱり関心示さなかった子どもが、その絵(地図だね)だけはじっと眺めていたが、美術館からの帰り、なんにもない田舎の道で、気持ちよさそうに道端で、おしっこしてましたが、「ぼくのトイレ」っていう地図の絵をかけよ、って思ったなあ。
地球はきみの、大きなトイレなんである。
長門峡を出て、津和野へ。
安野光雅美術館は大好きだ。プラネタリウムもあって、久しぶりに見たんだけど、科学と芸術と人間の空想の話をする安野さんの声を聞きながら、途中で寝てしまったな。
昔なつかしい小学校の教室のような部屋が再現されていて、図書室もある。子ども、ムーミンの本を見つけてよみふける。
彼が「ぼくはもうひとりで旅に出たいんだよ」などと言うようになったのは、スナフキンのせいなんだけど。
来館者の自由ノートをめくったら偶然見つけた。黒田征太郎さんのサイン。平成22年夏の。
春の山里を走って、広島へ。川はきれいで、春の山里は、夢のような景色だわ。高速にのって高速を降りると、わたしんちは近い。お茶飲んでひとやすみして、それから街なかへ。
夜は河野美代子先生と原畑さんとみんなで、ごはん。そういえば旅の間、子どもはいたるところで、好物のイクラ丼を食べていた。
そんなに何度もあっているわけではないし、原畑さんとははじめましてだったのですが、なんかすっかり打ち解けて、ほのぼのと、楽しいひとときでした。子どもは原畑のおじいちゃんに遊んでもらっていた。
河津さんとオンニョさんを広島駅まで送っていって、私たちの旅も終わり。
春休みも終わり。
☆
「香月泰男のおもちゃ箱」から、谷川俊太郎の詩。
散歩に行く
歩けるのは幸せだ
どんな重荷を背負っていても
足をひきずっていても
たとえ杖をついていても
歩けるのは
幸せだ
行くあてもなく歩けたら
もっと幸せだ
風に背を押され
花の香りにいざなわれ
鳥たちのさえずりを追い
知らぬ間に迷子になって……
それからやっと帰りたくなる
帰れるのは幸せだ
どんな小さな部屋にでも
誰ひとり待ってなくても
たとえ土の下 雲の上でも
帰れるのは
幸せだ