春休み in 山口 (長門峡、津和野) と、ぼくのトイレ

すでに春休みも終わっているので、さくさく行こう。春休みの話。Img_4015 

4月4日は、前日の嵐が嘘みたいないい天気。いつでも行けると思うとかえってなかなか行かない、山口市内は瑠璃光寺五重塔。でも河津さんとオンニョさんが来ているので行ってみると、桜もようやく咲いて、なんだかすごくきれいでした。
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さて、子連れで旅すると、大変なのがトイレだ。最近は、行きたくなる前に、わりと間に合うように、申告できるようになったが、かばんのなかには、パンツ2枚入れていた。
トイレに行きたいが、トイレがないときはどうするか。
男の子なので、そりゃもう気軽に、でもないが、そこらでするのである。

県庁にトイレ借りによったときは、休みでドアが開かなくて、県庁と議会の建物の間の茂みで。
それから瑠璃光寺では、トイレを探す暇がない、どっかすみっこの草むらまで誘導。Img_4297_2 

香月泰男の、シベリヤ・シリーズの絵のなかに、「私の地球」というのがあって、それは故郷の三隅町の地図を描いたものだったりするんだけど、絵にはさっぱり関心示さなかった子どもが、その絵(地図だね)だけはじっと眺めていたが、美術館からの帰り、なんにもない田舎の道で、気持ちよさそうに道端で、おしっこしてましたが、「ぼくのトイレ」っていう地図の絵をかけよ、って思ったなあ。
地球はきみの、大きなトイレなんである。
 


瑠璃光寺を出て、長門峡へ。すこし散歩する。
水は流れてありにけり。子どもはとっとと先へゆく。これは大きな水洗トイレ。
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長門峡を出て、津和野へ。


安野光雅美術館は大好きだ。プラネタリウムもあって、久しぶりに見たんだけど、科学と芸術と人間の空想の話をする安野さんの声を聞きながら、途中で寝てしまったな。
昔なつかしい小学校の教室のような部屋が再現されていて、図書室もある。子ども、ムーミンの本を見つけてよみふける。Img_4059 
 

彼が「ぼくはもうひとりで旅に出たいんだよ」などと言うようになったのは、スナフキンのせいなんだけど。
来館者の自由ノートをめくったら偶然見つけた。黒田征太郎さんのサイン。平成22年夏の。
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春の山里を走って、広島へ。川はきれいで、春の山里は、夢のような景色だわ。高速にのって高速を降りると、わたしんちは近い。お茶飲んでひとやすみして、それから街なかへ。
夜は河野美代子先生と原畑さんとみんなで、ごはん。そういえば旅の間、子どもはいたるところで、好物のイクラ丼を食べていた。
そんなに何度もあっているわけではないし、原畑さんとははじめましてだったのですが、なんかすっかり打ち解けて、ほのぼのと、楽しいひとときでした。子どもは原畑のおじいちゃんに遊んでもらっていた。

河津さんとオンニョさんを広島駅まで送っていって、私たちの旅も終わり。
春休みも終わり。



香月泰男のおもちゃ箱」から、谷川俊太郎の詩。Img_4078 

 散歩に行く

歩けるのは幸せだ
どんな重荷を背負っていても
足をひきずっていても
たとえ杖をついていても
歩けるのは
幸せだ

行くあてもなく歩けたら
もっと幸せだ
風に背を押され
花の香りにいざなわれ
鳥たちのさえずりを追い
知らぬ間に迷子になって……
それからやっと帰りたくなる

帰れるのは幸せだ
どんな小さな部屋にでも
誰ひとり待ってなくても
たとえ土の下 雲の上でも
帰れるのは 
幸せだ