中也のうた

4日。
義父母さんを病院へ送っていって、中原中也記念館へ。
義父母さんちから近いので、帰省するとときどき寄ります。
入館料も安くて、人も少なくて、図書館替わりにいいのです。
ときどき寄るので、
中也さんの字も何かしら親しいものになり、昔知っていたお兄さん、という感じがしてくる。
展示内容はときどき変わる。いまの展示のテーマは「中也のうた」

バッハのパッサカリアが好きだったらしいですね。

http://www.youtube.com/watch?v=7aTQ3RHDHCY

それから中也が、チャイコフスキーの四季の曲の「舟歌」の旋律にあわせて、
「ひさかたのひかりのどけきはるのひにしづこころなくはなのちるらん」
って歌っていたのを、ゆるされるならもう一度聞きたいと、
昭和37年ごろの雑誌に、吉田秀和が書いていたらしい。

http://www.youtube.com/watch?v=sM5q2yIkrDI&feature=player_embedded

直筆原稿の展示もいろいろあるんだけども、目にとまったもの。

「短歌が、ただ擦過するだけの謂はば哀感しか持たないのは、それを作す人にハーモニーがないからだ。(略)短歌詩人は、せいぜい汎神論にまでしか行き得ない。(略)芸術とは自然の模倣ではない。神の模倣である。」
                         (河上に呈する詩論)


もうひとつのテーマは、中也と旅。
子どもには俄然こちらがおもしろい。古い地図や切符。中也百年祭の年に、SLやまぐち号を飾ったプレート。
山口の田舎を、車ででもよい、SLだともっといい、走っていると、中也の詩を思い出すものね。



夕方、広島にもどる。
夜、通学班の子どもらに、バスの定期券配って回る。
義父さん、入院の由。