母の日のアリバイ

日曜日。母の日。
それで週末は、日記の宿題がある。
昨日、コインランドリー行ったこと書けば。
って言ったら、
「そんな恥ずかしいことを書くわけにいかない」
と言う。いいかっこしいである。
「母の日のことを書く」って言う。
母の日に何するの?
「うーん」
なーんも思いつかんらしい。
母の日にケーキをつくる、っていうのは?
「ああ、それいいねえ」
で、そういうことになったが、いらんこというんじゃなかったと思ったな。

手伝わせる。ホットケーキミックスと卵と牛乳まぜて、炊飯器に入れるだけですが、それをさせるのがたいへん。
「ママ、どうしよう、牛乳が多いみたい」
飲んで減らして。
「今度は少ないみたい」

畑にイチゴを取りにいく。
「ぼく15個とったからもういいでしよう。虫がいるから、これ以上無理。虫は苦手なんだ」
おかあさんはひとりでイチゴを摘みました。
それから、ひとりで水も撒きました。

イチゴ全部で54個、収穫。
その54個全部を使って、つくった。母の日のケーキ。Cimg2807


(見えないとこにもスライスしたのがはさんである。でも途中でたぶん10個ぐらいはだれかが食べた)
ジャジャーンぼくも手伝ったんだよ、ということにして、母の日のアリバイづくりは終わった。

食べたあと、子どもは日記を書いていた。イチゴ摘むのもケーキつくるのも、面倒だったけど、できたときには「母の愛」を感じたそうです。

母の愛、ねえ。

ケーキはおいしかった。イチゴがめちゃめちゃおいしかった。なめくじとか、ムカデとか、なんか黒い虫とか、いろいろ来るのももっともだ。虫が先に食うか、私たちが先に食うか、のせめぎあい。



振込み詐欺を「母さん助けて詐欺」と呼ぶ話。
母さん助けてって、詐欺でかかってくるのと、詐欺でなくかかってくるのと、どっちがましかといったら、詐欺のほうがましかもしれないと思った、母の日。