おばさんたち

午後、学校に行く。ふれあい活動の日。
3年生は親子でかるたをつくって、遊ぶらしい。

教室に行くと子どもが、
「困ったことがあるんですけど」って言う。
「15番女子と32番女子が、昼休みにぼくのあとをつけてくるんです。それから、ぼくの自由帳をのぞきこむんです。もうそれが何日かつづいてるんです。」
いじめられたわけでも何かいやなことを言われたわけでも何でもない、ただそれだけ、らしいんだが。
「でもそれが、なんかいやなんです」。

さて、かるたづくり。
親子で、読み札取り札つくって、かるたとりして遊ぶ。
子どもら興奮して、大いにもりあがったのでしたが、
なかでとっても目にとまった女の子がいて、
たぶん一番たくさん札をとったんじゃないかな、
それが32番だった。

なるほど、と思った。これはやっかいだ。
帰り際にも、32番が私の子どものところにやってきていたが。

なんて言えばいいのかなあ。
あのさ、まわりのことが気になってしょうがない、のぞかずにいられない、口出しせずにいられない、仕切りたくてしょうがない、
そういうおばさんは、どこにでもいるんだよ。
それで、子どもの頃から、そういうおばさんな女子もいるわけだ。

それはその子の性分だからしょうがないんだよ。
そのうち飽きると見向きもしなくなると思うけど、それまでは、あとをついてくるし、ノートものぞくし、それはさ、気になるからしょうがないんだ。

もしも、あの女の子たちが、きみにいやなことを言ったり、いじわるしたり、何か命令したり、するようなら、それはやめろって言えばいいし、先生にも言えばいいけど、そうじゃないでしょ。だから、きみがいやだなあと思っても、何にも打つ手はない。だっておばさんたち、何にも悪いことしてないでしょ。

大丈夫、おばさんたち、飽きたらそのうちいなくなるから。



きれいな秋の午後を、一緒に坂道のぼって帰る。畑のラディッシュ摘んで帰る。