ぼくはママをゆるさない  3

担任にお手紙書いて封したところで、またあれこれ出てきたので、追伸書く。ついでに、4年のクラスは誰と一緒はいやか誰と一緒がいいか、子どもにきく。こういうことでもなかったら、クラス分けの希望なんて言えないけど、この際言う。なんでも言う。

6番には冬休みがあけたころから毎日のように、何か言われたり、暴言吐かれたり、こづかれたり、していた。あきらかに暴言だと思われることについては、連絡帳に書いたし、注意もしてもらったが、その程度のことじゃもちろんなかった。

子どもは会話の内容だけを記憶して帰るけど、6番は言いたいだけで、会話をしたいわけでも返事を期待しているわけでもない。何か返答しても、それを理解する気もない。存在自体が暴力的、抑圧的だったのだ。
そのことも遠慮せず書く。

子どもには言った。
いじめは、いじめた人間も、いじめられた人間も、いじめを傍観した人間も、心が傷つく。
傷ついたのを放っておいたら腐る。心を腐らせないためには闘わなきゃいけない。
いじめられたほうは、いじめたやつが悪い、100パーセント悪い、と言っていかなきゃいけない。いじめられたほうにも原因があるというのは間違いだ。相手にあやまってもらう。きみはあやまっちゃいけない。悪いことしてないんだから。悪いやつらにつけこまれないように気をつけたほうがいいよ、というだけのことで、きみは絶対悪くない。

いじめた人間は、心の底から反省して、もう決して人をいじめない人間になろうと決意して努力しなきゃいけない。そうしなきゃ心が腐った大人になる。そんな人間とはつきあってはいけない。
いじめを見ても何もしなかった人も心が傷ついている。それはいつか、いじめられた人の味方をする、助けてあげる、ということをしないと、その傷はなおらないんだ。

だから、闘うんだよ。いじめられたり、誤解されたりしたままで、我慢して黙っていちゃいけないんだ。一緒に闘おうね、と。

さらに書く。

これまでも、幼稚園のころから、毎年何かしらいじめられて、その度に、対処してもらい相手にあやまってもらっていますが、数えたら20人を超えるんです。半分は名前もおもいだせません。これはあんまりにも子どもがかわいそうです。いじめについては、学校全体での本気の取り組みをお願いします。

クラスがえのことですが、4番5番6番32番に加えて、28番とも同じクラスはいやだそうです。この1年間でぼくをいじめたのはこの5人、と言っていました。それから、○組のSくんと同じクラスになるのもいやだそうです。Sくんには2年のときに同じクラスでいじめられた経緯があります。いまは落ち着いていますが、登校班が一緒なので、クラスが一緒だと一日じゅう一緒です。「それはきつすぎる」。これは必ずお願いします。

これは希望ですが、21番と31番とは一緒のクラスだと心強いしうれしい、と言っています。子どもにとって、学校がこわい場所にならないように、最大限の配慮をお願いします。勉強は好きなので、学校に行くのをいやがったりはしませんが、いやなことをがまんしながら、忘れながら過ごすというだけではもたなくなると思います。子どもにそんな生き方をさせたくありません。問題がせっかくあきらかになったのですから、きちんと解決して、先生も友だちもぼくの味方だと、学校には一緒にいて楽しくてやさしい友だちがいるということを、心で感じさせてあげたいです。

以上メモ。