七夕だったらしい

七夕だったらしい。忘れていた。
田舎では8月7日だった。いいや、8月7日にしよう。
と思って気づいた。そのころ、私はフィリピンに行ってる。
いいや、七夕なし。

6日は雨。
私は旗当番。登校班の子どもらをバス停まで引率していく。
集合場所の公園で、5分ほどの間に、四つ葉のクローバー3つ見つけた。
でもだれも関心ないらしいし、欲しいとも言わないので、もって帰る。
押し花。
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前に見つけたのもどこかにあるはずだが……と思っていたら、
子どもが机のすみから、ひからびたのをひとつ見つけてきた。
いい。おまえにはやらん。
で、この押し花どうするか。

夜、豪雨。



7日、日赤に入院中のFおばさんをお見舞い。
電話が通じないので気になっていたら、おばさんから入院中だと電話があって、でもすぐ退院するから、夏は予定通り、四国に連れて帰ってよ、って言った数日後だ、圧迫骨折して、動けないから、行けなくなったわって言う。
お見舞いに行くと、ちょうどお昼ご飯のころで、食事制限あるので、食べ物に味がない。
まずくて、とても食べられないから、あんたたち食べてって言う。
ゼリーは子どもが食べる。枝豆はパパが食べる。味のない、やや苦い冬瓜の煮物は私が食べる。……何してるんだろう、私たち。
子ども、お小遣いまでもらっている。
娘がやってきて(幼なじみだ)6年ぶりぐらいに会ったのかな。元気そうで何より。
ギブスができたら、転院してってことらしいんだが、それはもういやなので、家に帰るって言う。以前も寝たきりになるって言われたのを、家に帰って暮らしているうちに、足の付け根に骨がないのに、歩けるようになってしまった。
車椅子は自分が乗らず、杖がわりに使っていて、そこに買い物の荷物と一緒に、いつのまにか私の子どもがすわっているのを見たときは、めまいしそうだったけど。

以前、もう10年前、去年亡くなった被爆語り部の沼田先生にお会いしたとき、車椅子で腰にギプスをつけていた。修学旅行生に体験を語るために、入院していたのをむりやり出て来たのって言っていたのを思い出した。

ああ。闘うおばあさんたち。このおばあさんたちの姿には励まされる。

病院を出て、私はもとの広島大学へ。原爆文学研究会。
パパと子どもは、お気に入りの店で、Nゲージ見てゲームしてそれから帰って、子ども会の勤労奉仕へ。夏休みにラジオ体操する公園の草ひき。

原爆文学研究会。教室に向かいながら、昔、ずっとさぼっていかなかった講義に、でも単位がいるので、ひさしぶりに行くときの、あのいやな緊張感を思い出してしまった。ああ、5時間も椅子に座って話を聞くなんて、もつだろうか。

と思ったけど、すこぶる面白かった。興味深かった内容のことはまたあとで。
歌集置かせてもらって、買ってもらったりして、舞い上がりたいほどしあわせ。

懇親会も出て、途中でパパに電話したら、迎えに行くって言う。バスで帰るのもしんどいし、それはありがたいけど、子ども寝るの遅くなるけど、まあ翌日日曜だからいいか、と思って迎えに来てもらったが、
「晩飯おごれ」って言う。
子ども「ぼく、肉食べたい」って言う。
まあ自分だけ飲み食いしてきた後ろめたさもあるし、おごってやったが。

うすうす危惧していたが、
玩具買った、って言う。
「でも半額だったんだ」って、男の子ふたり口を揃えて言う。

それで金なくて、晩飯おごれだったんだな。

いくら半額だったからって、前から欲しがっていたからって、なんでそう無駄遣いして、甘やかして。買わなきゃ買わないで、自分で紙を切り貼りしてつくって、貧乏くさく遊ぶよ。……とか言っていたら、パパが言った。

「だって、休日にママがいないなんて、不憫じゃないか。」

……不憫なもんか!!!!



あけて日曜日。
晴れているので、畑に掘り残しのじゃがいも掘りに行く。
子どもさそったが、行かないって言う。じゃあその間に、宿題すましときなさいねって言ったが、わかったとは答えたが。

ああ、草むらと化している。どこが畑で、どこが通路だか。
バケツ半分ほどのじゃがいも掘り出して帰る。

子ども、部屋いっぱいに、ミニカーをずらっとならべて、アマゾンの箱でつくったあれこれのビルをならべて、ランドセルは火山らしく、毛布は遠い山並み、足の踏み場ない。もちろん宿題してない。
約束が違うじゃないか。
いろいろと生意気に口答えもするが、叱られた子ども、
「ママはぼくがきらいになったの?」
って怒って泣く。

ああっ。めんどうくさいっ。
あっかんべー、してやったら、そのまま、しばーらく怒ってすねていた。

ところが子ども、
「おまえなんか、きらいにきまってるじゃないか。」
とパパに言われて、びくっと振り向く。

「約束守らない、勉強しない、お手伝いしない、なんにも努力しないで、女子に好かれるわけないだろ。女子に好かれるためには努力するんだよ。何にも努力しない男子は女子にきらわれるにきまっている。」

そうだ、そうだ、と言いたいが、とりあえず黙っとく。

「ばかだなあ。ママがぼくをきらいでも、ぼくはママが好きだよって言うんだよ。」
と言われて、子どもうなずいている。

もう一回、あっかんべー、してやろうかと思ったが、まあ和解することにする。

はや夕方。