今朝見た夢

そこはすごく貧しい土地で、村のようでもあり町のようでもあり、女たちがいて、子どもがたくさんいた。そのたくさんの子どものなかに、私の子どももひとりかふたりいるはずだったが、誰が誰かわからない。だってここでは、子どもも子どもを生んで育ててる。どの家も廃材でつくったらしいみすぼらしい小屋から小屋をまわって、外に出ると、ほとんど木の生えてない赤土の山があり、ぬかるんですべりやすい山をのぼると、ひとりの少年が、にこにこしながら、こっちに来てって、手招きする。行ってみると、小さなくぼみに、一個だけ大きなきのこが生えている。「ぼくが育てたんだ、やっと育ったんだ」って、うれしそう。放射能が心配だよって、ふと思うけど、少年の笑顔の前で言えない。ほかに食べるものがないなら仕方ないのか。何か食べれるものも、使えるお金も、私も何ももってない。そのあたり、土地はやせて荒れて、どこもむきだしの赤土で、野菜どころか、草も生えないようだった。

それから私は駅の雑踏にいて、人の波に押されているうちに、体が水のなかに沈んでいく。水の底をゆらゆら歩いていると、電車がやってきて、乗ると、電車はやがて水の上に出て、水の上を走る。
それはすばらしい景色で、ずーっと向こうまで水色の海、水色の空、無数の白いかもめが飛んでる。ひろびろと美しい景色のなかを、すべるように電車が走っていく。

「ママ、ぼくを起こさないでね。ぼくはいまクリスマスの夢を見ているんだから」という子どもの声で起こされた。起こさないでほしかったのは、私のほうだなあ。休日の朝。