楽しい参観日

昨日、参観日だった。カレンダーに「1時半学校」と書き込んであるので、1時半に行ったが、子どもたちは昼休みの校庭で遊んでいる。親たちの姿は見えない。なんか間違ったか。
昼休みの終わった子どもたちが教室にもどっていく。もどっていく子らが、
「あー、りくしくんのおかあさんだ」
「りくしくんのおかあさんだ」
「りくしくんのおかあさんだよー」
と声かけてくれる。
ひるむ。
なんで、ばれてるんだろう。
えっと、私はあんたたちを知らないんだけど、なんであんたたちは、私を知ってるの。
「どうしてわかるの」と、私の前に立ってずっとこっちを見上げてる男の子に思わず聞いたら、
「だってわかるよ、それくらい」
と言われた。えー、わかんないよ。
うちの子ども、にやっと笑って、そっけなく通りすぎる。

「5じかんめは2じからだよ」と、まただれかが教えてくれる。
あと30分もある。なんで「1時半」だったんだろう。掃除がはじまる。どこにいても掃除の邪魔になりそうで、身の置き所がない。
子ども、校長室の前の廊下を掃除している。雑巾がけしている。それを眺めて過ごす。「ママ、2じになったらきょうしつにくるんだよ」といって、手をふって教室に戻る。やっぱり2じだ。

給食室のすみの階段にすわって(そこならすわっても邪魔にならない)、待っていたら、ぼつぼつお母さんたちあらわれる。2時5分前。

授業は、図工。水彩絵の具の使い方。子ども、一番前の、はしから2番目。6列なんだけど、一番前は4人だけ。この4人がおもしろい。1学期、うちの子は一番先生の机に近いところにすわっていたが、今は別の男の子がすわっている。さっき、「それくらいわかるよ」って私に言った子だ。りくしくんのママの顔はわかるが、先生の指示はなかなかわからないんだな。
指示がわかっても、自分のしたいことはするのか。子ども、水のなかに手をつっこんで、しずくを垂らして、地道にハンカチをぬらしている。何がしたいんだ、いったい。
その間にいる女の子は、楽しそうである。とても楽しそうで、悪気もなくとっぴょうしもないことをしそうな感じだ。
もうひとりはしっこの女の子は、大人しい。4月の参観日のとき、みんながまだ制服も新しくてシャツも白くているときに、何から何までおさがり、というくたびれた格好の子がいて、あれから私は妙に親近感をおぼえているんだが、絵の具道具もおさがり。筆も、かたちがちがうし、絵の具、ない色もあるし、でもまあなんとかやっていた。

自分の子をみると、もっと丁寧にかいて、とか、絵の具をそんなに無駄遣いしない、とか、鼻をほじらないとか、おもわず言いそうになる。自分の子を見るのは疲れるなあ。
ので、一列目のほかの3人を見ていた。いやあ、面白かった。

一緒にバスで帰るよって言ったのに、子ども、私を置いて先に行ってしまったらしい。
制服はこまるなあ。みんなおんなじ格好だから、自分の子を見つけられない。うろうろさがしていると、
「りくしくんは、もうむこうにいったよ」
例の一列目の男の子が教えてくれる。
ありがと、きみ、いい子だなあ。
バス停で、どうしてママを置いていったのかと聞いたら、
「だってはやくいかないとバスが来るじゃないか」と子どもは言った。
そりゃそうだが。
バスを降りてからの、帰りの坂道がつらい。子どもの水筒の水わけてもらう。

今日、学校からお便りもって帰る。人権教育の資料。昨日、1時半から55分までは、1年生の保護者は体育館で人権講座があったらしい。
ずっと前のおたよりに書いてあったような気もするけど、おぼえてない。大丈夫か、私。
つまりそれで、1時半だったんだ。

明日の朝は旗当番っと。