バニック

昨日の午後、いきなり停電。
といって、ブレーカーが落ちたわけではない。にわかに原因がわからず、パパはすこしパニック。なのに、ちびさんなぜかそういうときに限って、パパにまとわりつき、台所のドアを開けたり閉めたりしてパパをイラつかせたあげく、ドアに指をはさんで大泣き。パパはさらにパニック。
そういうときに、フォローできない鈍さを、いつもののしられる私だが、「焦ったってどうにもなんないでしょうよ!」とふたりに負けない声で叫んでいたりする。パニックは連鎖するんである。
「グーして。チョキして。パーして」
グーチョキパーできる。12345も指折り数えられる。ちびさんの指はたいしたことない。
電力会社に電話してきてもらうことにする。15分で行きます、と言ったのに、1時間半待たされる。電化住宅にしないかと、しじゅう電話がかかってくるが、こんなふうな停電が心配。雷とか台風とかでもすぐに停電するし。
電柱のところのヒューズが古くて壊れたのらしい。修理代はただ。
 
ちびさんの髪の毛、広い額なので少々髪が伸びても平気だが、そろそろ目に届きそうで、散髪を決行することにする。
「さんぱつやさん、いかないの」と言い張るから、じゃあ、ママが切るならいいよね、と納得させて、髪を切ったあとは、マックへ行って、帰りにはケーキも買おうと、「明るい見通し」までたてたのに、いざ、はさみを見るや、大泣き大暴れ。
こうなると、なだめるのも叱るのも同じことで、火に油をそそぐだけ。
黙って実力行使する。パパにつかまえてもらって、ジョキジョキ切りました。制限時間3分。
 
かわいそうに。前髪がリアス式海岸になってしまった。
 
おかーさんは髪を切るのは決して上手じゃありませんが、おかーさんのおかーさんが死んだあとは、18歳からずーっと、自分で自分の髪を切っていて、学生のころは、男の友人たちや隣の部屋の中国人留学生の髪も切っていて(一度、酔っ払って切ったら、二度と切らせてもらえなかったりしたけど)、もちろん上手じゃないけれど、きみがそんなに暴れたりしなかったら、もうすこしは、きれいに切れたはずなんです。
散髪終わったら、たちまち泣きやんだけど、暴れたせいで部屋に散らばった髪を吸うのに、パパが掃除機を出してきたら、またパニック。一番遠い部屋に連れて逃げましたが、顔はもう涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
疲れたし、日は暮れたし、マックとケーキはまた今度。