100歳?

老人たちの話をしよう。
パパはなぜか、年よりに気に入られるらしく、町内会の役員にさせられたが、ついでに老人会の賛助会員にもなっていて、老人会の行事の世話をしたり、おじいさんたちと一緒に市議会の傍聴に行ったり、している。敬老の日前後も忙しかった。

敬老会では元気だった近所のおじいさんが、翌日倒れて、病院に運ばれた。心臓にバイパスも通っているんだが、今度は頭らしい。夜に容体が急変して、六時間半の緊急手術。家族は、万が一を覚悟してほしいこと、うまくいっても寝たきりになるだろうと言われたが、驚いたことに、おじいさん回復した。手術のあとしばらく、頭がい骨はずしたままで、頭にはサランラップを巻いていたらしいのだが、その状態で両手動くし、ごはんも食べられるし、喋れる。はずした頭がい骨をくっつける手術もうまくいったらしい。

なんかすごい。そこのおばあさんはおばあさんで、足のつけ根の骨がないらしいのだが、元気に歩いている。

なんか、すごい。

こういう話は、心があかるくなっていいなあ。

ところで、うちにもおじいさんが出現した。
もうじき誕生日だという話をしていたら、
「ハウオールダーユー?」とちびさんが言う。どこでおぼえたんだろ、と思っていたら、つづけていう。「ワン ハンドレッド」。
「ぼく、ひゃくさいだよ」

そりゃめでたいが、百歳のぼく、最近退屈しまくっている。
ようちえんであそぶの、つまんないの。
だそうだ。
どんなことならつまんなくないの?
ぜーんぶ、つまんないの。ぼくもう、つまんなくてつまんなくてつまんないの。

家ではねえ、電車動かしたり、絵をかいたり、過集中で遊んでますが。

百歳のぼく。すこし、おじいちゃんおばあちゃんたちを見習おうよ。人間は、頭がい骨はずされてもごはん食べるし、足の骨が一部消えても歩くんだよ。株でころんで、愚痴を言ったりしなくてもいいとは思うけど、バスを通せと地元の議員に文句言うのもいいし、市議会見学、温泉旅行、墓苑見学、と、本当の百歳が近くなっても、することはたーくさんあるんだよ。