飛ぶ練習

ああもう7月。

1か月、ブログ書かなかったのか。
書くことがなかったのではなく、書けないことがたくさんだったのでした。家族それぞれに、胸いっぱいのことを抱えていて、抱えながら、日々、過ごしてる。

息子は進路のことで、あれやこれやと悩ましいし、模擬試験ずっとD判定なのも、まあそういうもんだろうと思うけど、楽しくは、ないわね。

志望理由書を書く。先生たちの前で発表する。もうぼろぼろに指導される。へこむ。また書き直す。また発表する。また指導される。またへこむ。そろそろ母がむかついてきて、そんなぺらっぺらっな指導を気にするなと、息子には言った。まあ、うちの子も適当にぺらっぺらっじゃあるんですけどね。

それでさ、きみのなかのいちばんゆずれない気持ちは何ですか、と聞いてみた。すると、彼は言葉を探すように丁寧に、「人の幸福のために働きたい」と言った。
なんていい子だろうなあ。大好きよ。

このままじゃ絶対後悔するとか、時間がないとか、やっとこさ思いはじめたらしい受験生。でも休日は12時間とか寝てるわ。こないだは15時間寝てたわ。そんでスマホ見てって、いつ勉強すんの?
静かに勉強してるなって思ったら、また寝てるし。下手に声かけると、自己嫌悪を刺激されて不機嫌になるから、最近はぬいぐるみにお話するわ。「カナヲちゃーん、お兄ちゃん寝てるよ、どうしようか」

私は、「人形の家」のセリフを、しきりに思い出してる。朝ドラのおちょやんで出て来たやつ。

「私はただ、しようと思うことは是非しなくちゃならないと思ってるばかりです」
「私には同じように神聖な義務が他にあります」「私自身に対する義務ですよ」

怠け者の私も、人生のところどころで、「是非しなくちゃならない」と何かに背中を押されるようなことがあって、それはやはり、是非しなくちゃならないのだ。
それで原稿書いたり、メールしたりしていた。人の真心に感動する。
すごく悲しいこととすごくうれしいこととが、ないまぜで、胸がいっぱいの日々。
またいつか、書きます。

ここしばらく、鹿子たちの姿を見なかった。畑でも向かいの森でも。すっかり安心してたら、畑の網のはしっこのほつれたところから、入ったらしい。枝豆の葉っぱ食われてた。網、張りなおす。どうだろ。あきらめてくれるだろうか。ひさしぶりに鹿子の鳴き声聞いた。

毎日、外に出ると、生き物の匂いが、むっとする。具体的に言うと、イワツバメの糞の匂いがする。軒下に巣をつくって子育てしてるので。イワツバメの巣は筒状で深いので、雛たちの姿は見えないんだけど、ぼたぼた糞は落ちているわけ。
早朝に、ジュジュ、と鳴くのが聞こえるので、うちのジュジュさんたちと呼んでいるが、最近、糞が少なくなってる気がする、という話をしてたら、

「飛ぶ練習してたよ」と息子が言った。「5羽か6羽いるんじゃないの」。ちょうど息子が帰ってくるぐらいの時間に、巣のまわりを飛んでいたらしい。ので、隠れて見てみたら、5羽か6羽、小さい子たちも飛んでいた。

巣立ちも近いんだろうな。

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