絶対絶対安全原発

そういえば、弟、電力会社の下請けで働いていたとき、福井か福島かにしばらく行っていたって、言ってたな。弟からじゃなくて父から聞いたのか。
ということを、たった今思い出して、血の気がひいた。

福井とか福島とか、区別つかないからどっちかわかんないし、電力会社と原発も結びつかなかった。どっかの親方んところで電気工事してるんだろうとしか。まさかね、だけど、ありうる。
けど、きいてもしょうがないよなあ。

そうだ、あのとき、福井だか福島だかで、働いていたときに知り合ったという若い女の子を、いきなり家に連れてきたとかいって、電話の向こうで父が困ってたんだわ。十数年前か、もっと前か。
ふーん、としか思わなかった。そのうち別れるだろうから、放っとけば、としか。で、女の子、まもなくいなくなったらしいけど。

原発が何か、シンはわかってないだろう。安全だって言われたら、安全だって信じるわ。私の弟ならそうだわ。

原発ジプシーだったかわかんないけど、弟、ずっと飯場のジプシー暮らししてるんだなあと、あらためて気づく。

放水の消防隊長はテレビに映るけど、涙ぐんで英雄視されて、それはそれでいいけれど、それでも、あん人たちゃ、よか衆だ。

ごめんな。シンちゃん。ろくでもない親きょうだいで。ろくでもない姉で。