紙の魚


「最近は、うまくいっているんだ」

という。
それはよかった。
近所の同い年のSくんとの関係。
うまくいったりいかなかったり、むずかしいんだが、これが。
ふたりとも、少しずつは大きくなってるんだから、友だちつづけるんなら、ちょうどいい距離を、自分たちで見つけなさい。
と思う。

でも最近はうまくいっているらしいので、遊びに行く。
帰ってきた子に、何して遊んだの、ってきいたら、
ゲームして、それからSくんちで飼っている猫と遊んだらしい。

「猫を呼び寄せようと思って、紙に魚の絵を描いて、切り抜いて、見せてやったんだけど、来なかったよ」っていう。

……来ないと思う。

紙の魚。



家庭訪問週間で、午後いっぱい遊べる子どもたち、男の子たちは野球するんだな、頭数がいるので、うちの子も誘われてついていくが、
まもなく帰ってくる。
もう終わったの?
「あきれたから、先に帰ってきた」
?
あきれた、じゃなくて、飽きた、だな、そりゃ。
日本語がへんなのと、そういう抜け方はきらわれるよ。
遊ばないなら遊ばない。一度ゲームに参加したんなら最後までつきあう。どっちかにしなさい。

……でも、やる気はあったんだろうなあ。
グローブがないので(あとでパパに言ったら、昔ひろったのがあるはずだ、と隅っこから出してきたが)、
子ども、紙をグローブの形にきったのをセロテープで手にはりつけて出て行ったのだ。
結局、ほかの子に貸してもらったらしいんだけどもさ。

……使えないと思う。

紙のグローブ。



子どもがほしがったのは、かものはしペリー、というキャラクターのパペット人形であった。
洗濯物のなかに青いタオルと黄色いタオルがあった。
子どもの期待のまなざしに見つめられながら、さてできあがったが、これは。

パペットなのか、なべつかみなのか。Cimg2486_2


かものはしなのか、ペリカンなのか。

しっかし、なんでこんなにかわいくないんだろう。