歴史研究有限会社

家庭訪問のときに、チョウチョ先生が教えてくれたのですが、うちの子は、クラスの係りをきめるときに「歴史研究」の係を作ることを、提案したらしい。「発表も立派にできてますよ」ってことだったのですが。 

何? 歴史研究の係って。
「正確には、歴史研究有限会社っていうんだ」
会社?


つまり、こういうことらしい。クラスで、いろんなお楽しみ係を考えて、それぞれ会社ってことにした。マジックカンパニーとか、ゲームする会社とか、お笑いなんとかとか。
「それでぼくは、歴史研究有限会社をつくって、求人募集したんだよ」
き、きゆうじんぼしゆう?
それで、だれか来たの?
「ひとりだけ、きた。男子。最初はちがう会社にいたけど、転職してきたんだ」
きたのか。わざわざ転職して。それで何するの? 何か調べて発表するの?
「発表はわかんないけど、新聞はつくるかもね」
電車の歴史とか、飛行機の歴史とか? それならおもしろいかもね。
「うん。それから、稲作の歴史とか」
んーっ、楽しいだろうか、稲作の歴史。
まあ、がんばれ。たったひとり来てくれた社員?をだいじにねー。


ある夜、パパと子ども、歴史の話をしていた。パパは子どもの理解などかまわず、持論を展開し、子どもも見当はずれの発言をおそれることなく口をはさむ。
長州と会津の確執の話が、えんえん、つづいたりするんだが。
パパが言った。「町内会でも、ただ下水道をひくというだけでも、賛成も反対もある。文句言うのもおる。でも、すすめるしかないやろうが。国がかわるとなったら、どんな意見でもでてくる。まとまらんよ。でもすすめるしかない。会津も長州もいつまでも憎みあってもしょうがない。」
ちなみに彼はたいへんな長州贔屓ですけどね。
下水道工事はすでに終わって、あとはそれぞれの家庭で、水洗トイレの工事をすることになるんですが、お金のいることではあるし、いろいろ難しいこともあるんでしょう。


ほんと大変だわ。ことを進めた中心者が夫だからしょうがないが、そうでなかったら、私きっと文句言うほうだな。ポットンでいいよ。金ないのに、水洗トイレの工事費、どう工面すんのよ。とかね。