トイレの歴史

クラスの歴史係の話なんだが、
息子の歴史研究会社(係りのことを会社と呼ぶ)とは別に、歴史と伝記の会社もあるらしい。それで、たったひとりいた社員は、そっちへ行ってしまったので、息子の会社は彼ひとりになった。
合流すれば、って言ったら、
「吸収・合併されるのはいやだよ」
と言う。必要なときだけは協力するけど、あとは独立独歩がんばるんだって。

さて、それで、歴史研究有限会社の最初の仕事は、
「トイレの歴史」
自由研究しますって、子ども、先生に言ったらしい。

思いつきはすばらしいが、やる気はあるのか。
つきあって資料さがしてやったのに、さっぱりとりかかる気配もなかったが、
昨日あたりから、やりはじめた。
第一部、世界のトイレ。
第二部、日本のトイレ。

いま第一部の、えっとね、近代に入る前くらい。
ハイヒールは、糞尿まみれの中世の道を歩くために考え出されたもので、男の人がはいていたらしいよ。
というような話が面白い。

中世の都市は▲のにおい、だったらしいよ。

できるだけ書く文字を少なくしようと、もとの資料を削って、まとめなおして、という作業をしているのがけっこういじらしい。

それで昭和ポットンから、ピカピカの水洗トイレになった我が家だが、トイレのドアをあけると、かるくタイムスリップした感じになるね。すわったら、この個室だけ、そのまま宇宙船になって飛んでっちゃうんじゃないかしらとか。

それで家のにおいがちがうわけ。なんだか人のにおいが希薄になって、なんだかたよりないような感じがするんだけど。
文明って、こういうことか。