青い傘をさして行った子が、プーさんの黄色い傘をさして帰ってくる。
雨の朝のバスは混んでいて、すわることもできなかったが、その混雑のなかで、傘の骨が折れちゃったらしい。
バスを降りてから教室までは、傘をささずに走ったらしい。
骨の折れた傘はあぶないので、学校の傘を先生が貸してくれたらしい。
まあ、いろいろあるよ。
しかし、バスのなかで、あんなに大きな荷物抱えて立っていたのか。えらいな。
学校、たのしそうではある。自分で勝手に時間割までかんがえている。それでもって彼の妄想のなかでは、ずがこうさくは、電車のペーパークラフトをつくるのだ。
☆
夕方、ちびさん、エレクトーンを弾いている。私はもうむずかしくてついてゆけないので、見てやらない。ちびさん勝手に弾いている。聞いていると、聞いたことのあるようなないような曲なんだが、でもテキストにはない曲を、両手で弾いている。
それは何の曲、ときいたら、ちびさん答えた。
「ぼくのかんがえたモーツァルト」
???
えーっと、つまり、でたらめなんだな。(でも和音は正しいみたい。)
もう一回弾いて、と言ったら、
「二度とおなじ曲はひけませーん」と笑う。
まあ、それはそうか。でたらめなんだから。
それにしても、
「ぼくのかんがえたモーツァルト」
テキストの「魔法の笛」はモーツァルトだし、日曜日にパパが何かのCDかけるときに、これはモーツァルトだよ、とか言っていたけどもさ。
ああ、いきなり身近になったモーツァルト。
6歳のモーツァルトも、こんなふうにたのしそうだったのかな。
こんなふうにでたらめではなかったと思うけど。
雨の朝のバスは混んでいて、すわることもできなかったが、その混雑のなかで、傘の骨が折れちゃったらしい。
バスを降りてから教室までは、傘をささずに走ったらしい。
骨の折れた傘はあぶないので、学校の傘を先生が貸してくれたらしい。
まあ、いろいろあるよ。
しかし、バスのなかで、あんなに大きな荷物抱えて立っていたのか。えらいな。
学校、たのしそうではある。自分で勝手に時間割までかんがえている。それでもって彼の妄想のなかでは、ずがこうさくは、電車のペーパークラフトをつくるのだ。
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夕方、ちびさん、エレクトーンを弾いている。私はもうむずかしくてついてゆけないので、見てやらない。ちびさん勝手に弾いている。聞いていると、聞いたことのあるようなないような曲なんだが、でもテキストにはない曲を、両手で弾いている。
それは何の曲、ときいたら、ちびさん答えた。
「ぼくのかんがえたモーツァルト」
???
えーっと、つまり、でたらめなんだな。(でも和音は正しいみたい。)
もう一回弾いて、と言ったら、
「二度とおなじ曲はひけませーん」と笑う。
まあ、それはそうか。でたらめなんだから。
それにしても、
「ぼくのかんがえたモーツァルト」
テキストの「魔法の笛」はモーツァルトだし、日曜日にパパが何かのCDかけるときに、これはモーツァルトだよ、とか言っていたけどもさ。
ああ、いきなり身近になったモーツァルト。
6歳のモーツァルトも、こんなふうにたのしそうだったのかな。
こんなふうにでたらめではなかったと思うけど。