かあちゃん

「かあちゃ」と私は聞いた。
「かあちゃ」とまた聞いた。
なんだろうなあと思っていると、子どもは私を呼んでいるのらしい。
かあちゃん」である。

かあちゃん

どうしたの。どうしてかあちゃんなの、ときいたら、
「ぼく、大きくなったし、もう、パパ、ママはやめようと思ってね」と言う。
やめようと思ってね、ですか。

そんなわけで、あたしは今日から「かあちゃん」になりました。
パパは「とうちゃん」になった。

「チョピンとはおれのことかとショパン言い」
っていう川柳あったっけ。

心臓がくすくす笑い出しそうになる。

で、大きくなったつもりの1年生は、帰ってくると、連絡帳を開いて読んでいる。親と先生との連絡帳。
「なにが書いてあるかと思ってね」だと。

今度先生に言わなければ。内緒話は、電話でしましょう。