皆既月食

女たちの、埃と黴との終わりのないたたかいの絶望について、ヴァージニア・ウルフが書いていた、ような気がする。
で、ふだんは気づかない、あるいは気づかないふりをしている、見てみないふりでやり過ごす、埃と黴、なんだが、年に何回かは気がつく。これ以上ほっといたらやっかいだぞ。
で、昨日の午後は、押し入れの片付けと大掃除。押し入れだけで、半日かかった。埃と黴のにおいが鼻の奥で痒い。
この調子で、順番に片付けて掃除していけば、1週間で、家じゅう掃除できる、と思ったが、今日は筋肉痛で休み。明日もたぶん休みだから、もしかしたらまた年を越えるかも。

夜、子どもが風邪ぎみなので、早めに布団に入れて、エルマーの冒険の続きも読んでやって、添い寝までしてやったが、子ども、寝ん。
読んでいる地理と歴史の辞典の話を延々と喋りつづける。
子ども、3年生になって、社会科がはじまるのが今から楽しみらしい。

「ママ、奈良の都は京都の都よりも古いんだ。」
「ママ、明治の廃藩置県の前は、広島は備後と安芸のふたつの国だったんだ。」
「ママ、○○の本には広島城、って書いてあって、△△の本には広島城跡って書いてあるんだ。どっちが正しいの。」
広島城は一度壊れたのをつくりなおしたから、どっちも正しいんだよ。
「ぼく、どうして壊れたか知ってる。原爆で壊れたんだ。それから原爆ドームは1945年以前は産業奨励館で、チェコの建築家が設計したんだよ」

ハイハンチケン、なんて言葉、何十年ぶりに聞いたかな。
子どもの歴史の講義を聴きながら、私のほうが先に寝た。

目が覚めて、表に出たら、皆既月食。五分後、雲に隠れた。
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