低空飛行

体が痛かったのは熱のせいらしかった。
3日寝ました。
それで息子、週末の宿題の作文には、ママが病気なので、ぼくがご飯をつくりました、と書こうと思ったらしい、
「ぼくがご飯つくるよ」って言うのだが、
きみが、お米研いだりみそ汁つくったりするのを手伝ってやれないから病気なんだっていうことなんだけどね。
それで息子、ぼくはお手伝いを手伝ってもらっていたのか、とようやく気づいたらしく、
ぼくは、ママに手伝ってもらわなくても、お手伝いができるようになろう、と思ったというようなことを(ああ、まぎらわしい)作文に書いていた。

パンとカップ麺と弁当と菓子で2日間しのいでもらう。



今朝はなんとか起きたけど、また寝た。
すると空を飛ぶ夢を見た。
夢のなかでは夢と思ってなくて、体が体から抜け出て宙に浮かぶので、え、これはもしかして幽体離脱というやつかしら、
ということは、私は死んだのかしら、思っていたより早かったような気がするけど、
と思っているうちにも、体はのぼっていったが、なぜか天井にぶつかって、 ああ、天井でゆきどまりなら、私はまだ死んでないわ、と思って、
でも今度は地面に降りられないから、 その建物、どっか体育館のような建物から、どうやって出ていくかが大変で、窓とかドアとか、隙間をさがして、
ようやく外に出たあとも、体は宙に浮いていて、飛んでいるといえばいえるのだが、すごい低空飛行で、 ここがどこだか、見わたすにも見渡せない、
どこから来たのか、どこへ行くつもりなのかもわからない、
全然わからないまま、飛び続けていると、昔自分がかいた落書きや、昔見た景色や出会った人が、断片的に視界にとびこんでくる。
低空飛行なので、なんにぶつかるかわからなくて、こわいのに、地面に降りられないし止まれないし。
飛んでいたら、どっか田舎町の、木造平屋一戸建ての古い町営住宅のもう住む人もいないようなのがあって、ああ、こんなところに、家があるんだから、都会で高い家賃払わないでも、ここでただで暮らせるよって言ってあげたいなと思ったり、
それから川の横の道を飛んでたら、向こうから自転車の学生たちが来るのが、昔の同級生たちで、狭い道でよけられない、ぶつかりそうで、空中をころげまわったりとか、
気がつくと傍らに誰かいて、「朗読会が××であるよ」って言う。
もしかしたら私はそこへ行くのだったかなあ、私、でも朗読きらいなんだけど、
って言おうと思ったけど、すでに台本ももっている、
へんだなあ、でも行ってみないと事情わかんないし、
××を目指すのだが、その建物がどこにあるのかは、わからないのだ、
とにかくひたすら低空飛行しつづけているそのスピードがすばらしくて、
ここがどこだか、私がだれだか、つまり体はあるのかないのか、どこから来てどこへ行くのか、もう何がなんだか。

電話をとったとき、しばらく、現実が理解できなかったんだけど、
空飛んでた勢いで、今日行きます今日やりましょう、って返事していた。

さて午後、起きたら熱も下がってたので、
子ども会の歓送迎会の準備、あれこれの作業をしに、子ども会の会長さんちに行く。掲示物の用意がひとりで大変なので手伝ってってことだったんだけど、10年以上も使い続けたらしい、紙のお花もぼろぼろだというので、新しいのをつくった。目の前に、薄い紙のふわふわの、ピンクや黄色の、花がつまれてゆくのも、なんか夢のつづきのようだった。

たぶん、寝る前に見たグーグルのロゴが吉田初三郎の鳥瞰図で、 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E5%88%9D%E4%B8%89%E9%83%8E
調べたら、広島のもあったりして、これは息子が好きそうだから、帰ってきたら教えてやろうと思ったからかな、空飛ぶ夢なんか見たのは。
でも全然鳥瞰図じゃなくって、ずっとずっとずっと低空飛行で、箒ももたずに飛んでいる魔女くらいあぶなかった。



夕方帰ると、
土曜日、熱で子ども会の役員会を欠席したんだけど、その引継ぎの資料が届いていた。(こないだ受け取ったのは古い資料、今度届いたのは新しい資料)次の役員会までに記入して提出っていうのだが、何がなんだかさっぱしわからん。……あした考えよ。