ジョジョ


 新年、子どもの第一声は「かいーよー」だった。親たちの第一声は「くすり、くすり」だった。体が温まったり、こすれたりすると、皮膚が発赤して痒いのである。
 塗り薬のほかに、飲み薬もある。咳止め、抗生物質、アレルギーの、ピンクと白と黄色の粉薬。ヨーグルトにまぜたのを、だまされて大人しく呑んでくれたのは最初の2回ほど。あとは泣いて暴れていやがるのを、むりやり口の中にいれている。涙と鼻水とヨーグルトで、顔はぐちゃぐちゃ。

 雪だるまを「ジョジョ」と呼んだ子どもは、どうやら雪そのものを「ジョジョ」と認識したらしく、庭や道端や屋根の上、遠くの山肌に消え残った雪を指しては「ジョジョ」という。
 「ゆき」といっても「ジョジョ」という。「ゆき、ゆき、ゆき、ゆき、ゆき」というと「ジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョ」という。なかなか頑固。

 いい天気。屋根から雪のどさどさ落ちる音。