栗とどんぐり

 栗を拾った。近くの運動公園に散歩に行ったら、いがいがが道に落ちている。ほとんどは空っぽで、誰か散歩の人か拾ったか、たぬきかくまが食べたんだろう。よく見ると、実が残っているのもなかにはあって、大小8つほど拾った。
 どんぐりも5つほど拾って「トトロがくれたよ」と子どもに渡した。信じたかどうか知らないが、手のなかですっかり温くなるまでにぎりしめていた。発見したのは、子どもは数字を2桁のけっこう大きな数まで数えられるのだが、それはただ数字を読めるだけで、数の概念を理解しているわけではないということだった。これは1個、これは2個、とどんぐりを並べてみるが、わかるのは、「ある」と「ない」の区別だけらしく、あとは、ママの口真似をしているだけなのだった。いいんだが。
 夜、栗ごはんをつくった。たった8つしかないのでさびしいことだが、皮を剥く面倒くささを考えたら、8つぐらいで十分だ、と思った。おいしい栗だった。