マニラのバスジャック

 「フィリピン:マニラのバスジャック、10時間後に投降 男は児童施設の経営者」というニュース。子どもたち無事でよかった。

 「地元メディアによると男は、マニラ市北部で貧しい子供を預かる施設を経営するアマンド・ドゥカット容疑者。子供らはこの施設の利用者とみられる。同容疑者は子供への無料の家、無料教育、奨学金の提供をマニラ市や政府に要求。地元のテレビ・ラジオ局を通じて「政治家の腐敗で庶民生活が脅かされ、子供らが教育を受けられない」などと訴えた。〔毎日新聞 2007年3月29日 東京朝刊〕

 パスジャックという行為はもちろん正しくないけれど、主張は正しい、と思う。子どもたちが教育を受けられないという叫びは、とても切実なものだ。そうでなかったら、私だって、寄付をお願いします、ご支援ありがとうございます、なんて毎年何百通も手紙書いたりしない。あんな面倒くさい助成金の申請書類ととっくみあったりしない。お金ください、というとき、ときどき物乞いをする人たちのことを思い出したりする。実際、物乞いしているようなものだと思う。マニラの歩道橋で、カップヌードルのカップを前において、顔を肩のなかに隠すようにうなだれていた女の人や、小さな孫をつれて物乞いしていたおじいさん。子どもは歩道橋の上でおしっこしていたが、小便くさいあの歩道橋のにおいも。 あの子は学校へいけたろうか。

 ごみ山のフリースクールへの支援を続けてくれるみなさん、ありがとうございます。なかには十年以上も寄付をつづけてくれる人もいて、深く頭を下げたい。それは、お金として、現地の子どもたちの教育を支えるだけでなく、私の生への希望をつないでくれています。人の世はすてきだと、思えるのはうれしい。 フリースクールのホームページはこちら http://kazu900.hp.infoseek.co.jp/index.htm 寄付は郵便振替「00110-9-579521 パヤタス・オープンメンバー」まで。