おばけの森

日曜の夜に、電話がかかってきて、山口へ行く。
来週の帰省のつもりでいたのだが、なんの行き違いか、義母が料理を用意して待っているのだという。
急いで荷物をまとめて、出かける用意しながら、なんだか夜逃げのようだ、と思った。
夜の高速道路、遠くに街の灯がきらきら見える度、ちびさん「すごいぜ」「すごいぜ」と言っていた。おほしさま、と言っていたのだ、そういえば。2歳か3歳のころ。街の灯のひとつひとつを。
まま、おほしさま、きれいだねえ。

ちびさんいつのまにか、お爺ちゃんと話をつけていて、新幹線の新しいのを手に入れている。イーストアイというんだそうだ。
月曜は萩へ行った。
海、それから椿の原生林を見に行く。花はまだ少ないが、なんというか、圧倒された。ちびさん、森の中を、興奮して走り回っていた。 
林のところどころにある地図を、おじいちゃんに抱き上げて見せてもらいながら、ぐんぐんぐんぐん、ちびさん歩いていく。ときどき視界から消える。風穴があるから、危ないよ、穴に落ちちゃうよ、追いかけるのも疲れた。
「おばけのもり、いったのよ」と興奮して言っていた。

一昨日は暖かかったけれど、昨日は夕方から雪がちらついて、広島に帰ってきたら、雪、庭にうっすらつもっている。
それでも途中の道のあちらこちら、梅が咲いていたし、菜の花、水仙、椿も咲いていて、すこしずつ、春の気配。