ムカデのコロニー

昨日の朝、出かける前に門のところで蟻の行列を眺めていたちびさんが、「虫がいる」というので、さてどんな虫かと見にいったら。
ムカデ、だった。
コンクリートの階段の苔のなかに、長さ2センチくらいの小さなムカデが、いっぱい。
めまいする。 
苔はムカデのコロニーと化している。
何十匹いるかわからないくらい、たくさんいる。
丸まっていたり寝そべっていたり、動かないが死んでいるわけでなく、スコップでつっつくと動き出す。足でつぶす。スコップで切断する。
パパとちびさん出かけたあと、30分ばかり、コロニーの殲滅に汗を流した。
虫殺しの薬も撒いた。なにかの消毒のあとのように、そこらじゅう真っ白。白い粉をあびて、白くなったムカデがよろよろ歩く。体が半分ちぎれているのに歩いているやつもいる。それをまた足やスコップですりつぶす。
自分がすごーく残酷なことをしているような気がする。でもこの子たちが体調15センチぐらいになって、風呂場や台所や寝室に出没することを考えると(毎年何匹かは出てくるが)それはやはりこわいのだ。
苔もはぎとって向かいの森に捨てる。

部屋に戻ると、部屋じゅうにちらばった紙屑の類が気になる。ここんとこ雨で工作日和らしく、ちびさん、幼稚園から工作と称していろんなゴミをもって帰る。それを目の前でつぶすわけにもいかないので、部屋のなかに空き箱空きパックが山になっているのだ。その上に毎日十枚をくだらないお絵かき。折り紙。
捨てるなら今だ。

牛乳パックやお菓子の箱やペットボトルやプリン容器の、お家やロケットやお船も、どんどんゴミ袋に。
かきちらして、そこらに投げてある電車さんたちの絵も、最近はまっている豪華客船の絵も、どんどんゴミ袋に。
折り紙の手裏剣もお花もエビもイカも蝉もネズミも、どんどんゴミ袋に。
ゴミ袋2袋もあった。ゴミの分別、おもちゃの片付け、かれこれ1時間もかかった。

ちびさん、帰って文句の一つも言うかと思ったら、「わあ、ママ、きれいにしてくれてありがとう」だと。それでまた、遠慮というものを知らない子どもである、さっそくどんどん散らかしていく。

家の裏のムクゲの木。8年前、この家に来たとき、向かいの森の花をちょっと切って、挿しておいたら、根が生えてきたので植えてみたら、もう屋根に届くほどになった。育つんだなあ。花が終わったら切らなくちゃ。

家、8年前より傾いている気がする。いる気がするが、ピサの斜塔も何百年も傾いているのだから、がんばれ。廊下の床がしずむのも、苔を踏んでるみたいな感じで、なかなかいい。踏む度、どきっとするけど。