サンタクロースがこないわけ

22日、消えのこった雪で、ちびさん、雪だるまつくっていた。

23日、うちにはサンタクロースはこないので、山口の義父母のところへ行く。いつものろのろしてる子が、朝早くから自分で着がえて待っている。できるんじゃん。山口に着いておじいちゃんつかまえて、トイザらスに行って、トミカ買ってもらって、あとは2日間、おじいちゃんちにおいてあるプラレールその他あれこれの玩具で遊び放題。ケーキも食べた。
で、昨日の夜、帰ってきた。

今日図書館に行ったら、ちびさん「サンタクロースがこないわけ」という紙芝居を借りるという。よーく見たら「サンタクマーズがこないわけ」だったのだが、くまのサンタクロースがドーナツつくるのに失敗したとか、そういうお話だったが、思わず考えてしまった。
わが家にサンタクロースが来ないわけ。
はっきり言って、まあ単純に、親がやる気がないからだね。

考えてみれば、サンタクロースが来るなんて、子どものころからただの一度も信じたことはないのだった。ついでに、何かプレゼントをもらった、ということも、ない。
だいたい、戦中世代の両親に、クリスマスもサンタクロースもあったものでなく、小学生のときに「クリスマスだよ」と親に言ったら、「何か、それは。邪宗の祭りか。クルシミマスか」などと父は言うのであって、それでも「ケーキ食べる日なんだって」と言ったら、「食いたきゃ買ってこい」と小銭くらいはくれたが、それで近所の店に行って、売っているケーキなんていったら、ぱさぱさのカステラにバタークリームがのっている、という程度のしろもので、甘いけど、甘いだけで、ねだるほどのものでもないのだった。

この親ふたりのどこをどうひっくり返したって、クリスマスのプレゼント、などという余裕は出てくるはずもないのであって、ま、そのあと、お年玉があるから、まあいいのだ。現金よりほかに欲しいものもなかったし。

そんなわけで、クリスマス、というのは、金持ちの余興だと思っていました。サンタクロースというのは、金持ちの子のところにだけやってくるんだと思っていた。
たとえば、小学校の5年か6年のときにやってきた転校生のお家は新しくて、応接間、などというものがあって、はじめてそんなものを見たんだけど、その家の子どもは、自分の本をもっていて、「星の王子さま」はその子に借りて読んだんだけど、その子のお家みたいなお家になら、クリスマスツリーもサンタクロースも似合っているのかもしれなかったけど、どう考えたって、うちには似合いそうもなかったもん。

クリスマスツリーを欲しいとは思わなかったんだけど、木は欲しかったな。この地上のどこかに、私のための一本の木があって、私がそれを見つけることができて、その木に、リボンを結んでやることを、ひそかに憧れていました。そういえば。