やくそく

幼稚園のお別れパーティ。
ちびさん歌っていた。歌っていると見える程度には口を動かしていた。
それで、彼が歌わないことを知っているお母さんたちが、驚いてほめてくれる。ええ、彼は口パク練習中なんです。(お母さんたちも歌わなきゃいけなくて、よく知らない曲だったので、実は私も口パク、だったことは、まあ言わないが。)
なかにKくんのお母さんもいて、それで、懇親会のとき近くに座ったついでに、ぶちころすの一件の話もする。結果として、いい方向にすすんだので、気持ちよく会話できる。Kくんは、ちびさんが歌わないのが、気になって気になって気になってしかたなかったらしいのだ。もしかしたら、ふたりは友だちなのである。
「りくしくんのことがすごく気になるみたいです。でも、そんなことを言うなんて」
「いいショック療法でしたよ」
「いいほうに転がったからよかったけど」
「はい。そうでなかったら、わたしたち親ふたり泣かなきゃいけないとこでした」
担任のあや先生が退職というニュースが飛び交う。ああそれで、あや先生、歌っているとき泣いていたのか。急遽、離任式に贈る花束の相談。
ああ、来週はもう卒園式だわ。

お別れパーティのあと、療育センターへ。
ひさしぶりの診察。小学校訪問の報告など。
「この2年間、予想以上の成長だし、小学校になって、これからが楽しみですねえ」としきりに言ってくれる。
小学校は、とにかく、先生とこまめに連絡をとって、たとえば教室を出ていくことが必要になった場合や、疲れてしまった場合の対応なども、ストレスがかからないような配慮や工夫ができるように、根回しをしていくこと。耳栓は必ず子どもといっしょに選ぶこと。性能よりも、もっていることで、気持ちの逃げ場ができればいいんです。そのうち慣れれば、大丈夫になります。
誤った理解や思いこみの修正は、上書き方式でいくこと。ちがうよ、だめだよ、と言われ続けると、自分自身が否定されていると感じるようになるので、そういう考え方もあるけど、こういう考え方もあるよ、というふうに、上書きしていってください。
ということで、ポイントは「根回し」と「上書き」

元気に小学生になりましょう。

さて、ちびさんが口パクながら、はじめてみんなと一緒に歌った記念すべき曲。

「やくそく」

♪ながいながいみちのとちゅう ぼくはきみにあえてよかった
ずっとずっとおぼえていたい ぼくはきみにあえてよかった
きみのポケットのなかに ぼくのうたはながれているかい
こんどまた このばしょで きみとまた あえるかな
きみとぼくのやくそく きみとやくそく

とおくとおくはなれていても ぼくときみのそらはおなじさ
ずっとずっとながれてゆく ながれぼしがきみのまちへ
きみのポケットのなかに ぼくのうたはながれているかい
こんどまた このばしょで きみとまた あえるかな
きみとぼくのやくそく きみとやくそく

こんどまた このばしょで きみとまた あえるかな
きみとぼくのやくそく きみとやくそく