ねずみしんかんせん

 のぞみ、と子どもは言っているのである。新幹線ののぞみのこと。それがどうしても、ねずみ、に聞こえる。
  700けい ねずみ しんかんせん
  500けい ねずみ しんかんせん
  300けい ねずみ しんかんせん
 それを1日に何十回も言うのだ。それで私の頭のなかでは、新幹線はねずみの顔をして走り出した。
 
 700ぴきと500ぴきと300ぴきのねずみ。まるでハーメルンの笛吹きの世界。