るんるんるんるんるーんるん

 義父から、岡山の帰りに寄るから昼ごはんを一緒に食べよう、と電話がかかってきて、駅で待ち合わせ。駅、と聞いただけで、しんかんせんにのるの、と子どもはわくわくしていた。ちびさん、新幹線から降りてくるおじいちゃんを待っている間に、駅員さんから新幹線のカードをもらい、店ではお子様ランチのおもちゃの車を手に入れ、おじいちゃんからはお小遣い(すみやかに没収)までもらった。新幹線に乗せてやるわけにはいかないので、アストラムラインに乗って帰る。
 ちびさん、ごきげんよろしく、「るんるんるんるんるーんるん」と、 あれまつむしが鳴いている、ではじまる歌の、りんりんりんりんりーんりん、の旋律でしばらく鳴いていた。
 
 庭の緑の密度が日に日に濃くなる。つつじ、さつきも咲いた。蜂がパンジーのあたり、花粉にまみれてとんでいる。ちょうちょととんぼ。向かいの森のシャガの花。鳥が鳴いている。新緑が日に日に眩しい。もうじき、芍薬、こでまり、都忘れが咲くだろう。遠くの山のあちらこちら、すこし前までは山桜がうすももいろにけぶっていたのだが、いまうすむらさきにけぶっているのは藤の花。きれいな季節だ。