「おなじ道は一度しか通れないよ」
それが、迷路やパズルの本のなかの言葉とわかっていても、突然、子どもにそういわれたりすると、どきっとする。
「おなじみちはいちどしかとおれないよ」、でも「すきなみちをとおっていいんだよ」。
子ども、私がトイレに行こうとするとついてきて、「ママ、すきなトイレにいっていいんだよ」
パパがお風呂に入ろうとすると「パパ、すきなおふろにはいっていいんだよ」などと言う。
俳句の本にのっていた「竹馬やいろはにほへとちりぢりに」(久保田万太郎)という俳句を、覚えて言うから、いろはにほへとちりぬるをわかよたれそ……を教えてみたら、記憶力だけはいい子だ、たちまち覚えて、「いろばにぼべどぢりぬるをわがよだれぞづねならむ」などと、濁音化して遊んだりする。
同じことを、自分も昔、していた記憶がある。
子ども、最近、なんだかよくしゃべるようになった。