男の子たち

月曜の療育センターのクラスは女の子たちお休みで、前期から一緒の男の子3人だった。
うちのちびが4歳、リュートくんが3歳半、コーキくんがそろそろ3歳。
椅子から立ち上がって勝手に走りだしたり、部屋の隅に貼りついたりするのは、まずうちのちびさんで、そのあとをコーキくんが追いかける。
するとリュートくんもひとりですわっている理由はないので、立ち上がってオオーと叫んだりする。
 
リズム遊びをしようかというときに、なぜか正座してごはんを食べるパントマイムをはじめたちびさん。何してるの?ときくと、「ブラジルでは」という。ブラジルでは? 「おひるの12じなの」
 
ああ、絵本のページにあるのだ。にっぽんがまよなかの12じのとき、ブラジルはおひるの12じ。
 
リズム遊び、保育士さんと母親の大人6人ほども一緒に、ぴょんぴょんうさぎさんをやっていたりするときに、ちびさん床にしずかに寝転んで、目を閉じて寝る。きくまでもないが「にっぽんは、まよなか」をしているのだ。
するとコーキくんやってきて、同じように寝転ぶ。つづいて、リュートくんが何してるの、というふうにやってくる。
取り残された大人たちだけが、ぴょんぴょんはねているのが、妙にこっけいだ。
 
リュートくんとコーキくん、つづいてちびさんも、リズム遊びに連れ戻されたが、今度はまた別の遊びの途中で、ちびさん、カーテンの影に隠れる。
するとコーキくんとリュートくんもつづいてかくれる。この3人、妙によく響きあう。それに女の子たちもいないので、押さえがきかない。
 
「リクちゃんは確信犯だよね」とリュートくんのママが言う。ええ、その通り。
 
カーテンをもちあげて隠れられないようにして、遊びをつづけた。
保育士さんたちが一生懸命その日のプログラムを考えて、きみたちの相手をしてくれているのを、コケにするようなことを、ちびさんしている。
そんなことをパパに話したら、パパがちびに言い聞かせているのが、おかしい。
 
「おまえなあ、金も払わずに、こんなにたくさんの女の人たちに(若かったり若くなかったりするけどさ)、気にかけてもらって、かまってもらえるなんてことは、人生にもうないぞ。大事な時間なんだから、ていねいに生きなければ。」
 
ちびさん、神妙な顔をして聞いていて「わかった」とか言っているが、何をわかったんですか、何を。