迷子

金曜日、動物園に親子遠足。ちびさん、咳はしていたが熱はないので、行く。遠足にはリュックサック、などということはすっかり忘れていて、いつもの肩掛け通園バッグに弁当入れて行かせた。リュックサックでないのはちびさんだけだったけど、そんなのまったく気にしていないのが、いいねえ。
動物さんたち見てまわって(鳥小屋の前ではずーっと、ピーチクパーチク喋っていた)、展望台でごはん食べて、機関車のかたちの遊具でひたすら遊んだ。
家では箸をもとうとしない子が、幼稚園でどうやって箸を使っているのかと思っていたけど、まあ案の定、一本だけ使ってつきさして食べるほかは、手で食べていた。
自由行動も終わって、集合場所の猿山へ向かって歩きだしたんだが、ちびさん、親をおいて、ひとりで走りだす。止まれといって止まらないし。追いつけないし。ちびさん振り向いては笑う。あきらかに、確信犯。

で、迷子になった。

探しても見つからないし、猿山がどこにあるか私もよくわかんなくて、迷子みたいなもんだし、なんとか、集合時間に集合場所に私だけたどりついて、事情を説明して、迷子探ししてもらった。園児たちのバスは先に行ってもらって、園長と数人の先生と私と残っていたけど、幸いすぐに見つかった。

ちびさん、自分が迷子になったとは、思っていない。よその幼稚園の保護者に声かけてもらって「おかあさんは?」ときかれて、「あとからくるの」と答えたらしい。行けませんっ!
「ごめんなさい」も言いおわらないうちに、「あっちのフラミンゴみるの」とか言ってるし。
ちびさんの帽子、異常に臭い。羊に舐められたか、山羊に踏まれたか。

パパに動物園まで迎えに来てもらって、それからそのまま、山口の義父母のところへ。
夜、寝るまで「どうぶつえん、たのしかったの」と言っていた。そりゃ、ようございました。私は、体じゅう痛くて眠れない。

親子遠足、数人の父親もいて、なかに、消息不明の古い友人に似た人がいた。どこかで、こんなふうに、おだやかに、小さな子の父親でもしてくれているといいなと思った。