くつした

くつしたが好きです。
私が、ではなく、ちびさん。
くつしたが好き、というより、脱ぐのがいやか。
たぶん感覚の問題なんだろうけれど、風呂と寝るとき以外は、決して脱ごうとしない。冬はそれでもいいんだが、夏は困る。

去年の夏は、療育のクラスのプールのときも、水泳パンツになっても、まだ靴下をはいていて、濡れるまで脱がなかったし、今年の春に萩に遊びに行ったとき、水たまりに足つっこんだときも、靴下脱ぐのを泣いていやがり、おじいちゃんおばあちゃんに、新しいのを買ってやるから、と言われて、やっと脱いで、靴下何個いるかきかれて「12こ」とか言うし、またそれで靴下買うためだけに、デパート探して、6足買ったんだけどさ。

さて夏が近づいてくる。冬のくつしたは厚いので、夏のくつしたを買う。新しいくつしたはいて幼稚園に行って、真っ黒にして帰ってくる。上履きをまた、はかなかったね。
その黒いくつしたを脱がそうとしたら、泣く。それでも脱がす。かわりのくつした与えないでいたら、30分も泣きつづける。そのまま3時間でも泣かせておくつもりだったけど、パパが見かねて、くつしたを与えてしまった。自分は子どもをすぐに泣かせるくせに、自分が泣かすんじゃなくて子どもが泣いているのをみるのはいやなんである。

ちびさんのくつした。ダイキ君の血圧測定用紙みたいなもんだな。
でもさ、夏がくる。来月からプールもある。
「6がついやなの。プールいやなの。くつしたぬがないの」とまた、地道に言っている。水遊びがきらいなのではない。服を脱ぐ、とりわけくつしたを脱ぐというのがこわいのだ。最近ますますくつしたへの執着が強い。

玄関のチャイムが鳴ると、ちびさん飛び出していく。何日か前、近所の(といっても隣の団地の)マサくんという1年生の男の子のママが用事できたとき、ちびさん、マサ君のママにこんなふうに訴えていた。

「ぼくはマイペースなやつだから、プールはむりなの」

マイペースなやつって、マイペースなやつって、自分で言うなよう。

ちびさん、こないだまでドロロが好きだったが、今はクルルが好きなんだと。(わかる人にはわかるかも。それでクルルがマイペースなやつだと、絵描き歌に出てくるんです。)

あ、昨日の歯科検診はできたらしい。昼間行って声かけといてよかった。遠足のとき、子どもを迷子地点から連れ帰ってくれた先生にも挨拶できたし。