きゃべつのなかから

幼稚園の参観日。

目を疑った。ちびさん、みんなのなかにすわっていて、ちゃんと先生の指示を聞いて、立ったりすわったりできて、チューリップの歌は歌わないけど、右手の指は、ドレミドレミと動いている。
紙芝居も前のほうの列にすわって聞いているし、笑っている。

去年きみは、みんなから遠く離れた椅子に、ひとりでぽつんとすわっていたのだよ。(今年は、みんなが集まるすぐ近くに畳があって、年中さんの男の子が加配の先生とすわっている)

療育で一緒だった男の子が、隣のクラスの年中さんで、ひさしぶりにお母さんにも会う。以前は、幼稚園に来ると、りくちゃんはすぐに見つけられたのに、いまはもう見つけられない、と言う。

たしかにほんとに驚きだ。子どもの一年間っていうのはすごい。

きゃべつーのなかかーらあおむっしがでたよーおとーさんあおーむしー♪

と手遊び歌のときに、一緒にやっていたら、なんとちびさん、向こうから「ママ、やらないでー」と叫ぶのだ。
なぜやっちゃだめなの、とあとで聞いたら、「だって、おとなはやらないんだよ、子どもたちと先生だけやるんだ」というのだ。

ママ、ジャングルジムにのぼらないで、とか、そのうち言うようになるのかな。それで、あたしはきっと、はずかしい親、になるのだ。

ふふーんだ。
歌うもんね。きみ歌わないからかわりに歌うよ。
きゃべつーのなかかーらあおむっしがでたよーおかーさんあおーむしー♪