自閉症児のコミュニケーション(アスペルガー症候群、高機能自閉症)その5

今朝も雪。積もってる積もってる。寒い。
畑も雪のなか。どこがキャベツでどこに水菜があるんだか。ホウレンソウやっと本葉がではじめたところなのに。やれやれ。

(つづき)

☆否定(だめ)を子どもに伝える。
否定
状況から物事の関係性をとらえたり、相手の意図をとらえるのが苦手なので、何を否定されたのかわかりにくい。
しかも否定の中にはいろんなニュアンスが含まれているので、わかりにくい。
が、否定の場面は強く否定的に関わられることが多いので、否定的な感情と強く結びつきやすく、そういう場面になると、感情が先に立って、考えたり受け入れることが難しくなる。

否定(だめ)を伝える。

肯定的な伝え方にする。
「今はだめ」→「後で(~分後に)しましょう」
「もうありません」→「全部なくなりました」
視覚的な手段を使う。より具体的に。
関連した情報を伝える。
 もらえるものともらえないもの、していいこととしてはいけないこと、今できることとできないことについていつできるか。
否定している内容を示す。
 ことばやNOのシンボル、絵で具体的に示す。
否定されたことに対しての応じ方、適切な行動を教える。
違っていても本人の見方には共感し、その後、こうしたらいいよと提案する。はじめから否定するともうそこで聞けなくなりやすい。「そうじゃないでしょ」ではなく、「そうだね、こういうふうに思ったんだね。こうしたら~なってうまくいくよ」

☆コミック会話
キャロル・グレイが開発
漫画と吹き出しによって、自分や相手の気持ちや意図と、外にあらわれた行動や発言との関係を理解する。
これを通して、自分と相手との間に起こったすれ違いを理解し、解決を図る。

例:客「おかあさんはいる?」子「います」
  この場合「おかあさんはいる?」という言葉には(おかあさんをよんで)という気持ちがあることを、漫画と吹き出しで気づかせる。

☆ソーシャルストーリー
キャロル・グレイが開発
生活上の出来事の理解が、情報不足や認知的な混乱から難しい場合、その出来事について状況などを絵や文字を使用して説明する。
安易に使うと子どもにとってマイナスになるので、指導者のもと正しく理解して使うことが大切。
子どもの状態をよく理解して、あわせて書くことが大切。書き方には厳密なルールがある。(否定を使わない。肯定的に)

例;「おきる、というのは、目をあけてふとんからでることです」
「どうして髪を切るの? 髪はのびていきます。のびたらおうちの人や散髪屋さんに切ってもらいます。髪型が気に入らない場合もあります。でも大丈夫。またのびます。」

☆ルールやマナーの理解

暗黙のルールは明文化されておらず、誰もわざわざ教えてくれないので、習得しそびれてしまいやすい。
ルールは絶対ではなく、状況によって変化する(必ずしも一貫性があるとは言えない)のでわかりにくい。
基本的なルールやマナーは、知識としては習得される事は多いが、実際の場面で柔軟に適用できない。今その場面であることに気付かない。他の人が守らないと許せない、遵守しすぎる、原則と例外を分けられない。
自分の考え方や感じ方が十分に尊重される経験がベースにないと、自分ばかり押し付けられ理不尽と感じ、受け入れにくくなる。子どもが聞く耳をもたないときには、不安や自己否定、被害者意識などの心理面への対応が必要。

☆ルールを子どもに伝えるには

家族や集団での全体のルールをつくる。
 視覚的に提示する。 
 定期的にルールを確認する。
 とる行動がわからない場合は、そのルールにおいて取るべき行動を具体的にして見せたり、絵にしたり、具体的なことばで伝える。
 個々の子どものニーズに応じ、理解することが必要なルールを伝える。
 理解できるように、具体的に、明確に、視覚的に、肯定的に、見方に応じて。(お説教や押し付けにならないように)

(つづく)