「キム・ソウォル(金素月)詩集 つつじの花」

  つつじの花   金素月

顔をみるのもうんざりだと
行かれる時には
何も言わずにすんなりお送りいたしましょう

寧辺(ヨンピョン)の薬山(ヤクサン)
つつじの花
腕いっぱいに摘み門出の道にお蒔きしましょう

おいでになるひとあしひとあし
置かれたその花を
そおっと踏みつけてお行きください

顔をみるのもうんざりだと
行かれる時には
死んでも涙は流しません




素敵な訳詩集が出ました。

「キム・ソウォル(金素月)詩集 つつじの花」
訳 林陽子 
2100円(本体2000円+税)
2011年3月30日刊行
書肆 青樹社
http://www.fureai-ch.ne.jp/kazu3/seijyu/index.htm

帯文より
☆1902年に生を受け、1934年、32歳で自死するまで、切々と〈愛〉を、〈死〉を、そして〈生〉の内的陰影をうたいあげた詩人キム・ソウォル(金素月)の〈詩〉のほぼ全容を日訳。

*1923年渡日、東京商科大学専門部に入学。同年、関東大震災に見舞われ、帰国(中退)。
*1981年(自死から47年後)、大韓民国金冠文化勲章の追叙を受ける。

金素月 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E7%B4%A0%E6%9C%88



ええ。死んでも涙は流しません。