日本語を使う国

何日前か、昼ごはんをつくるのが面倒なので、子どもとふたり、安売りのときに買い置きしといたカップヌードルですますことにした。子どもはカレーヌードル、私はタイのなんとかヌードル。それで3分間待っていたときに、包装に書いてある文字を見て、
「ママ、これはタイ語でしょうか」って子どもが聞く。
タイ語でしょう。
タイ語を使うのは、タイだけでしょうか。ほかの国でも使うかな」って聞く。
聞かれると、自信がないんだけど、タイだけじゃないかしら。英語は世界のたくさんの国で使いますが、ベトナム語、フィリピン語や、朝鮮語、のように、ひとつの国や地域だけで使われる言葉もたくさんあるよね。
と話していたら、
「日本語を使う国はどこかなあ」って言う。
日本だけでしょう。って言ったら、

「日本と琉球です」って言う。
ちょっとどきっとした。

それから子ども、明治政府の琉球処分の話をしてくれる。話は、島津藩の収奪まで、さかのぼる。
日本のなかに沖縄があるのが当然になる以前の、日本ではない頃の琉球が、意識されているわけだ。

とすると、尖閣諸島は、日本固有の領土、という言い方は、ずいぶん恥ずかしいね。沖縄同様、奪った領土のひとつ、にすぎないんだから。

「日本語を使う前の、昔の琉球の言葉はどうなったのかな」と子ども。
たぶん、知っているひとも使う人も少なくなってるだろうね。アイヌの言葉もそうだね。

日本と琉球です。

もしそれを学校で言ったら、琉球じゃなくて沖縄だよ、沖縄は日本だろ、だから日本だけだよ、って言われて終わりなんだろうが、
(だから言わなくていいが)

日本と琉球です。
この「と」はあっぱれだ。