2006-01-01から1年間の記事一覧

遊びをせんとや

15日は、平和公園の国際会議場内の研修室で、ルソン島の植林のNGOの会合があったので行く。フィリピンから帰国しているOさんに会う。それから公園で少し遊ぶ。鳩の集まっているところに子どもは飛んでいく。ベンチにすわっているおじさんが餌をやって…

もしもきみが

休日の運動公園はそれなりに人が多い。栗8個拾う。 子どもは日に日にたくましく、草の斜面を走り降りたり、溝を飛び越えたり、高いところからジャンプしたり、川をのぞきこんだり、外へ出すとはらはらする。かといって、家に閉じ込めてもおけない。 ブラン…

土いじり

庭に出ると、子どもはさっそくスコップをもって、あちこち掘り返しはじめる。敷石と敷石の間のせまい隙間をこつこつ掘ってみたり、木や花の根もとの土をざっくりさらってみたり。あんまり根もとの土がえぐれてしまったので、「お花に土を返してあげてくださ…

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

「ゆあーんゆよーんゆやゆよん」と子どもが口ずさんでいるのは、中原中也の「サーカス」である。友川かずきが、中原中也の詩を歌っているCDがあるのだが、子どもがそれを気にいって、そればかり聞いているのだ。 机の上に小さなプレーヤーがあって、私はそ…

なんさい?

「なんさい?」ときかれると、子どもは元気よく「2さーい」と答える。そのとき指を出すのだが、それがひとさし指を一本突き出すだけ。それで訊いたほうは一瞬とまどった顔をする。春に、名前と歳を教えたときに、ピースのかたちがどうしてもできなかったの…

フラッシュアース

午後、近くの運動公園に遊びに行った。子どもはなんだかひたすら走り回り、私は道に落ちていた栗を拾った。13個。子どものためにはどんぐりを7つ。 もう帰るよ 、と呼んでも、呼ばれているのがわかっているくせに、わざと反対側に向かって走り出す、とい…

そしてすべての悲劇は

昨日、北朝鮮が地下核実験を実施した、という。暗澹たる気持ち。核を扱って、しかも核兵器を扱って無事でいられるはずがない、と思う。 ちょうど広島の被爆者団体が、北朝鮮の被爆者の調査に出向こうとした矢先だった。北朝鮮が核実験の発表をしたために、延…

アンナ・ポリトコフスカヤの死

ニュースは衝撃だった。ロシアの女性ジャーナリストが殺された。アンナ・ポリトコフスカヤ。名前に見覚えがある。まさか、と思って確認したら、やはりそうだった。 『チェチェンやめられない戦争』(三浦みどり訳 NHK出版)の著者。あの本は、読みながら何…

レゴ

レゴが届いた。さっそく遊ぶ。親たちが。車、飛行機、家、駅、風車。最近のレゴはいろんなものがつくれるんだなあ。子どもは最初のうち、「はい、パパさん」「はい、ママさん」と、親にレゴを渡しているだけだったが、そのうち自分でも何かつくりはじめた。…

カレンダー

フィリピンのゴミ山の麓のフリースクール、「パアララン・パンタオ」の子どもたちの絵で、2007年のカレンダーをつくった。(A4サイズ)。これで何年目になるのかな。下手でも上手でも、子どもの絵は楽しい。うちのプリンターでシャッコシャッコ刷ってい…

どこから来てどこへ

10月5日は、グレースの誕生日。生まれてまもなくゴミの山に捨てられた女の子が拾われたのが18年前の10月5日だった。はじめて会ったとき彼女は5歳だった。それがもう18歳。高校生だ。しばらく会っていないせいでもあるが、歳月のはやさに呆然とす…

黒い傘の下で

『黒い傘の下で──日本植民地に生きた韓国人の声』(ヒルディ・カン著 桑畑優香訳) 読了。日本の植民地時代を経験したアメリカ在住の韓国人51人の聞き書きをまとめたもの。日本植民地下で、人々がどのように暮らしたか、が具体的に語られていて、とても興味…

もの奪うひと

臓器売買のニュースが私に思い出させたのは、故郷にいた頃に見聞した大人たちの景色だった。思い出すだけでため息が出る。 人からものを奪いながら、奪っているとも気づかずにいるような、手におえないあつかましい人たちが一方におり、一方にはバケツの底が…

栗とどんぐり

栗を拾った。近くの運動公園に散歩に行ったら、いがいがが道に落ちている。ほとんどは空っぽで、誰か散歩の人か拾ったか、たぬきかくまが食べたんだろう。よく見ると、実が残っているのもなかにはあって、大小8つほど拾った。 どんぐりも5つほど拾って「ト…

ガンジーの箴言

ガンジーの箴言。 『七つの社会的罪』 1.理念なき政治 2.労働なき富 3.良心なき快楽 4.人格なき学識 5.道徳なき商業 6.人間性なき科学 7.献身なき信仰 記憶しておこう。

臓器売買

驚いた。「臓器売買か、宇和島の病院に強制捜査」というニュースをいま見た。私の故郷の話ではあるが、見覚えのある病院の映像だが。腎臓移植をめぐって売買があったのではないかという話だが、ああ、お金がないんだろうなあ、とまず思ってしまった。故郷に…

樹 尹東柱(ユントンジュ) 樹がおどれば かぜがふき、 樹がしずまれば かぜもやむ。 伊吹郷訳 『空と風と星と詩 尹東柱全詩集』 向かいの森から葉っぱが風に吹かれて飛んでくる。すこしずつ紅葉もはじまっている。今日で9月も終わる。

すてきね

「となりのトトロ」のなかに、「おとうさん、すてきね」というセリフがある。この「すてきね」という言葉が、すてきに作用することに、子どもは気づいたらしい。いたずらがみつかったとき、叱られそうになったとき、甘えたいとき、わがままをとおしたいとき…

壊れてからが

スーパーで買い物する度に、シールを地道に集めていたという義母が、そのシールを貼った台帳を息子に渡したのを、しばらく忘れていて、たしか子どもが生まれたころに、100冊近くたまっていた台帳があることに気がついたのだ。それで、必然的に、台帳は子…

移転の話

ゴミの山の学校の移転の話。 フィリピンのゴミの山、パヤタス地区のゴミ山を拡大するために、私たちが支援するフリースクール「パアララン・パンタオ」(パヤタス校)を含む周辺住民265世帯が立ち退きを迫られている。立ち退きの条件について、当局と折り合…

緑いろの指

庭は金木犀のいい匂いがしている。 中学校の表門までは歩いてほんの10分ほどの道のりだった。でも普通の道とは別に、遠い海の町から市内の高校に通う生徒のための寮の中庭を通り抜ける近道があって(通り抜け禁止ではあったが、守るはずもなく)、その近道を…

蟻とコオロギ

朝、玄関の石段の上に、ずいぶん大きなコオロギがいた。私の人差し指の長さくらいはありそうだった。近づいたら逃げるかと思ったのに、逃げもせず、だるそうにすこし動いた。 夕方、朝のコオロギにちがいないが、もう頭もなくなって、体も半分ばかり引きちぎ…

新幹線

午後、新幹線の駅まで新幹線を見に行く。田舎にできた新幹線のためのごく小さな駅には、数人の乗客のほかに、あきらかに子どもに新幹線を見せるためだけにきている親子連れが数組いて、私たちもそのなかの一組だ。 ところで、新幹線は速い。その駅に停車する…

彼岸花

庭に赤とんぼがきている。足もとを、尻尾の青いとかげが走っていく。金木犀の香が漂っている。きれいな秋の季節になった。今日はほんとうにきれいな秋晴れ。 田んぼの畦には彼岸花が咲いている。この花の赤さは、なんというか、鬼気迫る。たちまち思い出すの…

金木犀

金木犀が咲いた。庭はいい匂いがしている、はず、と思って外に出たら、便所の汲み取りさん来たらしく(このあたり、まだ水洗ではない)、まあ、そのような匂いがしている。花の香は木のところまで行って、嗅いでくる。 13歳の誕生日に、そのころときどき遊び…

台風一過

台風一過の18日の朝は、雨もやんで予定通り、町内会の大掃除だった。山から飛んできた葉っぱが道に散らばって、それなりに掃除のし甲斐はあった。 午後から、山口の義父母のところへ。空をヘリコプターが飛んでいるのは、大雨で行方不明になった記者さんが…

暴風域

昨夜の大雨は、ここからそんなに遠くないところで、死者ひとり行方不明者ひとり。朝からヘリコプターが飛んでいた。昼間は雨も風もなかったけれど、夜になって雨、そして、ものすごい風。台風13号、かずみちゃんがきている。 もうかれこれ2時間近く暴風域…

大雨警報

大雨警報が出ている。すごい雨。太鼓の音をずっと聞かされている感じだ。テレビの画面に大雨情報がテロップで出るのを、ずっと見ている。このあたりの高速自動車道は通行止め。川の支流が合流するあたり、ここからそんなに遠くないところで、避難勧告。川土…

髪を切る

台風が近づいてくる、という雨。夜からずっと降っている。今日、義父母のところへ行く予定だったけれど、延期にする。 昨日、子どもの髪を切った。じっとしてくれていたのは最初の数分だけ。首にまいたタオルも新聞紙も振り払って逃げ出してしまった。一番気…

9月の空

近くまで行ったのでついでに足を伸ばして、空港へ飛行機を見に行った。30分ほどの間に、まずヘリコプターが飛び立ち、それからチャイナエアラインが飛び立ち、つづいてANAが飛び立った。「ひこうき、とんだねえ」。子どもに飛行機を見せながら、飛行機…